この記事では餌用コオロギの繁殖のさせ方について解説します。
爬虫類用の餌として最もメジャーなコオロギですが、毎回ショップで買うとなるとなかなかコストが嵩みます。
繊細ですぐに死んでしまうイメージのあるコオロギですが、ポイントを押さえれば自宅でもキープ〜繁殖を行う事も可能ですので、この記事を参考にチャレンジしてみてください。
目次
餌コオロギの種類
ヨーロッパイエコオロギ
爬虫類用の昆虫餌としては最も有名で、イエコの名称で親しまれています。
外皮も柔らかく力も強くない為、昆虫食、肉食の爬虫類であれば比較的素直に餌として食べてくれます。
栄養バランスも悪くなく、常用で与えるには最も適した昆虫餌となります。
特徴
ヨーロッパの工場や家庭など、一年中暖かい場所に住み着いていたことから「イエコオロギ(ハウスクリケット)」と呼ばれるようになりました。
原産国は諸説ありますが、現在では世界各地に生息しています。
気温が高く、乾燥した環境に強い種で、室温30°、湿度40〜50%程の環境で最も活動的になります。
成長は早く、およそ1ヶ月(32日)で成虫となり、オスで20mm、メスで25mm程の大きさになります。
成虫のメスは1日あたり100〜200個程の卵を地中に産みつけますので、環境を整えてあげる事で強い繁殖力を見せてくれます。
フタホシコオロギ
クロコの名称で呼ばれることの多いフタホシコオロギは、イエコと違い外皮も硬くサイズも一回りほど大きくなります。
肉食性が強く、イエコよりも攻撃的な為、小型種の餌としてはおすすめできません。
ただイエコよりもボリュームがあり、栄養も蓄えやすいので、中〜大型種に与えるには優秀な昆虫です。
特徴
東南アジアの熱帯地域に生息する種で、日本でも沖縄などに生息しています。
オスで25mm、メスで30mmとイエコよりも大きくなり、成長速度も産まれてからおよそ1ヶ月程度で成虫になるので早いと言えます。
ただ成長はイエコよりも早いのですが、乾燥や蒸れ、水切れに弱く、餌が少ないと共喰いを行うこと等から繁殖用に管理する際には注意が必要です。
繁殖に必要なもの
コオロギの繁殖には以下のものが必要になります。
・ケージ
・床材
・産卵床
・シェルター
・水場
・餌
・(保温器具)
どのようなものを用意するか1つずつ掘り下げて見ていきましょう。
ケージ
繁殖用に使うのであれば大型の衣装ケースがオススメです。
小さいケージや虫かごだと過密による成長阻害や共喰いに発展する場合がありますので大きめのものを用意しましょう。
フタにコオロギが通れないサイズの穴をあけ通気性を確保し、湿気が篭らないようにしておきましょう。
床材
キッチンペーパーや新聞で問題ありません。
フンや死骸で床材が汚れている場合は取り除き、新しい床材と交換しましょう。
産卵床
コオロギの繁殖用に、浅いタッパーにバーミキュライトや赤玉土などを入れたものを用意しておきましょう。
メスのコオロギは適度に湿った柔らかい地面に卵を産みつけます。
ですのでガーゼや脱脂綿、スポンジなどでも代用が可能です。
孵化には湿度と温度が重要になってきますので、産卵床が乾かないよう定期的に軽く湿らせるようにしましょう。
シェルター
・隠れ家になる
・コオロギが活動できる面積を増やす
上記2点がクリアできていればなんでも構いません。
よく使われるのは紙製の卵トレーやジフィーポットです。
新聞紙をくしゃくしゃにしたものでも代用可能ですが、コオロギが新聞紙を食べる事で体内にインクなどの化学物質を取り込んでしまい、爬虫類達にも間接的に与えてしまう事になりますのであまりおすすめしません。
水場
コオロギにとって水分は非常に重要です。
水分がないと早いと1日で死んでしまいますので、必ず水分補給ができるようにしてあげましょう。
ただしコオロギは濡れる事を非常に嫌い、またそれが死ぬ原因にもなりますので濡らした脱脂綿を入れておくなどしておきましょう。
水分補給用のグッズもありますので管理が難しい場合は導入してみましょう。
なお、こちらも管理を怠っているとコバエが発生する原因になりますので、こまめな水替えや掃除は必要です。
餌
もちろん餌も重要です。
家庭で出た野菜クズなどでも育成は可能ですが、野菜が悪くなっていたり農薬が残っていたりすると落ちる原因になりますので、繁殖を考える場合は専用餌を用意してあげたほうが良いでしょう。
まとめ
このような形でコオロギを育てていると、半月もしないうちに産卵床の周りで小さなコオロギが動き始めるのが分かるようになります。
そのままにしておくと、どうしても成虫のコオロギに傷つけられたりして落ちてしまうものも出てきます。
ただ繁殖のサイクルは早いので、特別手を入れてやる必要もないかと思います。
始めてみれば案外簡単に増やせるコオロギですが、少し世話をサボれば一気に落ちてしまう可能性もあります。
餌にするとはいえ毎回の世話はしっかりと行い、良質な餌として育てられるようにしましょう。