大型のトカゲ(モニター)の中でも飼いやすさに定評があるのがサバンナモニターです。
温厚な性格で人にも慣れ、サイズも最大で1m程度と比較的小柄なので、初めてだけど大きなトカゲを飼ってみたい!という方にはオススメです。
この記事ではサバンナモニターの特徴や飼い方、飼育時の注意点をまとめます。
目次
サバンナモニターとは?
名前 | サバンナモニター(サバンナオオトカゲ) |
学名 | Varanus exanthematicus |
分類 | 有鱗目トカゲ亜目オオトカゲ下目オオトカゲ科オオトカゲ属ナイルオオトカゲ亜種 |
生息地 | ガーナ、ギニア、ケニア、ウガンダなど |
サイズ | 〜100cm |
寿命 | 10年程 |
エサ | 昆虫類、小魚、カタツムリなどの軟体動物、卵、マウスや鳥の雛などの小動物 |
サバンナモニターの生育環境
ガーナ、ギニア、ケニア、ウガンダなどサバンナ地帯に広く分布しています。
雨季と乾季を繰り返すサバンナ地帯で、湿度の上がる雨季に活動し、乾季は巣穴の中で休眠しています。
年間を通して気温の変化は少なく、平均最高気温27度前後、最低気温16度前後という環境で暮らしています。
雨季に活動するため高い湿度を好み、また水に入る事も好みます。
特徴
見た目
スラっとした体の多いモニターの中では珍しく、全体的にずんぐりとした見た目で四肢も太く、尻尾も首回りと同じくらいの太さになります。
生活
野生化では雨季に活動し、乾季には休眠に入る事を繰り返しているサバンナモニターは、本能的にそのように動こうとします。
部屋の温度や湿度を一定に保っていても、1年の中でよく食べる期間と食が細る期間に分かれます。
サイズ
モニターの中では最も小柄な種で、全長は最大で100cmほど、個体によっては120cmぐらいまで成長するものもいます。
とはいえ尻尾が全長の4割程度を占めるので、頭〜胴体までで5、60cm程度なので、サイズ程の大きさは感じません。
寿命
飼育下では平均して10年程といわれています。
体は丈夫な種ですが、ケージ内では運動不足になりやすい為、中には7、8年と短くなってしまうケースもあるようです。
価格
流通量が多く、価格はベビーで4〜5000円。
アダルトで1万円〜程度で販売されていますので、比較的手が出しやすいかと思います。
体色によっては珍しいものもおり、そういったサバンナモニターは価格も高くなる傾向にあります。
モルフ
パステル、ハイポといったノーマル個体よりも色が明るい個体が存在します。
アルビノも存在しており、どれもノーマルより流通が少ないです。
飼育方法
ケージ
全長が100cmを超える種類ですので、それに応じてケージのサイズも大きくなります。
アダルトサイズになる頃には最低でも120cmのものを用意してあげましょう。
シェルターや水場、ホットスポットを用意すると120cmでもいっぱいいっぱいになってしまいます。
なお小さい時はそれに応じたサイズにしたほうがケージ内の温度や湿度の調整がしやすいのでオススメです。
ケージ内温度、湿度
27、8度を保てるようにエアコンや暖突、パネルヒーターで調整します。
また、一部にはバスキング用のライトを設置し、40度ぐらいになる場所も作ってあげましょう。ケージ内で25〜40度ぐらいの温度の幅があると、状況に合わせて自分の居たいエリアで活動するようになります。
湿度は70〜90%とかなりの多湿を好みます。ただあまり湿度を上げすぎると床材にカビが発生しますので、定期的に床材は綺麗にしてあげましょう。
エサの与え方、頻度
基本的に雑食で何でも食べますが、体に栄養を溜めやすい=太りやすいので、体調には注意してあげましょう。
・ベビー(〜30cm)
ピンセットで食べられるサイズのコオロギやレッドローチなどを与えます。
お腹がいっぱいになると餌を差し出しても食べなくなりますので、だいたい何匹ほど食べるか覚えておいて毎日与えます。
・ヤング(31〜70cm)
ベビーの時と同様昆虫類がメインになります。与えるコオロギのサイズも大きくなり、大きめのデュビアなども餌と候補に上がります。また、餌用の小魚やカエルなども餌の候補として上がってきます。
餌の頻度は2日に1回、食べる量が増えてきたら3日に1回と徐々に間隔をあけていきます。サイズが大きくなってくると小さめのピンクマウスや市販のレバー、ササミなども好んで食べますが、カロリー過多になりやすいですので注意が必要です。
・アダルト(71cm〜)
体つきもだいぶしっかりし、一度に食べる量も増えています。
できれば虫餌で育てたいですが、サイズがサイズなので雛ウズラや小魚なども併用して与えましょう。雛ウズラをメインで与える場合は皮を剥き、内臓と脂肪を取る等してカロリー過多にならないように気を付けてあげてください。
給餌タイミングは個体差にもよりますが4日〜1週間ぐらいあけても問題ありません。
水分補給
サバンナモニターは水浴びが大好きです。
体のサイズ+αぐらいのタッパーに水を入れてケージ内に置いておきましょう。するとよく水の中に入って体を休めています。水分はその際に摂取しますので必ず用意してあげるようにしてください。
またサバンナモニターは個体によってトイレも覚え、水の中でフンをする事も多いですのでその際は新しい水に取り替えてあげましょう。まだ小さい時はタッパーだと外に出れなくなる可能性もあるので、タッパー内に平らな石を入れて階段上にしてあげるか、浅めのお皿などで代用しましょう。
床材
湿度を保ちやすいのはバークチップと赤土を混ぜ水を含ませた物です。サバンナモニターは穴を掘る習性がありますので、上記のものであれば運動不足の解消、爪の伸びすぎ防止も可能です。
ただし、管理が大変ですのでペットシーツを敷いている方や、ケージのサイズに人工芝をカットしたものを敷いて代用されている方もいます。その際はケージ内の湿度に気をつけてあげてください。
UVBライトの設置
サバンナモニターにもUVBライトは必要です。忘れずにセットしてあげてください。
飼育時の注意点
よくある病気
肥満
飼育下でよく起こるのが食べ過ぎによる肥満、それによって起こる内臓疾患などです。
記事内でも少し触れましたが、野生化でのサバンナモニターは少ない餌で生き抜くために体に栄養を貯めやすくなっています。特に大きくなっていけば、より体に栄養を貯めやすくなっていきます。
そんな中で高頻度でマウスなどハイカロリーな食事を続けていると肥満になりやすいのも理解できるかと思います。背骨が浮くような状況でなければ、餌は気持ち少なめか与える頻度を減らすぐらいで丁度良いでしょう。
クル病
とはいえ、減らしすぎて栄養不足に陥っては元も子もありません。
特に飼育下の個体はカルシウム不足によるクル病を発症しやすいので、与える餌にはカルシウムパウダーでダスティングを行ってやり、不足しがちな栄養素を補ってあげると良いでしょう。
多頭飼いできるか
ショップではベビーのサバンナモニターが1つのケージに入れられている事がありますが、飼育時にはオススメしません。喧嘩だけでなく、近くにいる個体の尻尾や爪で目を傷つけたりする可能性もあるためです。
できれば1匹1匹別のケージを用意してあげましょう。
拒食
サバンナモニターは時折急に食いが渋る事があります。特に大きくなってくると食い渋りが顕著になる傾向にあります。病気かと心配になるかもしれませんが、前述の通りサバンナモニターは雨季に活動し、乾季は基本的に休眠しています。
ですので本能的に食べる、食べないのサイクルを繰り返しているようです。背骨が浮き尻尾も明らかに痩せているといった場合でない限りそこまで心配はありません。
どうしても心配であれば生きている虫餌など、動くものであれば反応しやすいので試してみてください。
もちろん口周りの怪我によって拒食を起こしているといった場合もありますので、定期的に体に異変がないかは観察してあげるようにしましょう。
まとめ
この記事ではサバンナモニターの生態や飼い方、飼育時の注意点などをまとめました。
体はかなり丈夫で、性格も比較的温厚、大きくなりすぎないモニターという事で大型種ではかなり飼いやすい部類に入るかと思います。気になる方は是非一度ショップに見に行ってみてくださいね。