爬虫類をペットにすると聞いて真っ先に思い浮かぶのがこのヒョウモントカゲモドキ(レオパードゲッコー)ではないでしょうか。
芸能人の方でもペットとして飼っている方がいるほど、愛嬌のある表情や仕草、モルフの多さは老若男女を問わず虜にしています。
この記事ではヒョウモントカゲモドキを飼ってみたい!という飼育初心者の方の為に、飼うにあたって必要なものや、餌の与え方、気をつけておきたい注意点などをまとめますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
目次
ヒョウモントカゲモドキとは?
名前 | ヒョウモントカゲモドキ (レオパードゲッコー) |
分類 | 有鱗目トカゲ亜目トカゲモドキ科 |
生息地 | イラン、アフガニスタン東部、インド北西部、パキスタンなど |
サイズ | 20cm〜25cm |
寿命 | 〜20年 |
エサ | 昆虫類、小型の哺乳類など |
生育環境詳細
中東はイランやパキスタン、アフガニスタンの乾燥した岩石砂漠や草原で生活しています。
地表棲のヤモリで、基本的には地面で生活していますが、環境によっては低木に登るなど立体的な動きも行います。
生息地の中東地域は5月〜9月ごろまでは30度を優に超える気候で、夜には25度前後に落ち着きます。
9月〜3月ごろまでは、夜間の気温が1桁台まで下がりますので、その時期は冬眠を行い、また春頃に活動を再開するといったサイクルを行っています。
特徴
ヒョウモントカゲモドキは「レオパ(レオパードゲッコー)」の名で親しまれており、ショップや即売会などでは見ない事がないほどの人気です。
そんなレオパの特徴をまとめていきますのでご覧ください。
見た目
大きな目に柔らかく小さな手、胴回りと同じくらいぷっくりとした大きな尻尾など、非常に保護欲をそそる見た目をしています。
だらに、爬虫類としてのかっこよさも持ち合わせている為、性別・年代を問わずファンの多い種です。
ノーマルのモルフは、薄い黄色に名前の通り全身に豹柄が広がった見た目をしています。
ノーマルよりも黄色味が強いものをハイイエローと呼びますが、CB個体が増えた今ではノーマル=ハイイエローというモルフだと認識されています。
他にも数多くのモルフが産み出されており、元の色や模様からは考えられないような表現のレオパも多数います。
サイズ
大きくなっても20cm〜25cm程ですが、メスよりもオスの方が大きくなりやすいと言われています。
産まれた頃は5gも無いほどの体重ですが、1年ほどで大人になり、およそ60g〜80g程の重さまで成長します。
寿命
レオパは非常に長生きで、飼育下のストレスが少ない環境では30年近く生きるものも存在します。
平均しても20年以上は生きる長命の種ですので、飼い始める前に長く飼っていけるかはよく考えてあげてください。
モルフ
レオパは様々なモルフが生み出されています。
色味が変わるハイポタンジェリンやスノー、アルビノ、模様に変化が出るパターンレスやジャングルなど、色や柄の表現が豊かです。
画像だけでは伝わらない魅力がありますので、ショップなどで色々と見せてもらうと良いでしょう。
冬眠
前述しましたが野生下でのレオパは冬眠を行います。
大きな尻尾には栄養が詰まっていますので、十分に栄養を蓄えた個体は水分が有れば半年ぐらいは生きる事が可能です。
とはいえ厳しい自然環境下での話ですので、飼育下ではあえて冬眠させる必要はありません。
冬眠からの立ち上げがうまくいかず、そのまま衰弱してしまった、という事もありますので保温器具でケージ内の温度を上げ、冬眠に入らないように調整してあげましょう。
オスメスの判断
幼体の頃はオスメスの判断をつける事が難しいですが、ある程度成長するとオスの尻尾の付け根には生殖器をしまうための膨らみができます。
また総排泄孔から少し上に前肛孔という窪みができる事で雌雄の判別が可能です。
ヒョウモントカゲモドキの購入方法
ショップに行けば確実に出会えますし、即売会などのイベントでも購入可能です。
ブリーダーさんも多くいらっしゃいますので、そちらから購入する事も可能です。
価格
ハイイエローなど一般的なモルフであれば4,000円〜1万円程で購入が可能です。
産まれる確率が低いモルフや表現が美しい個体は3、4万から高いもので10万円を超える値をつけるものもあります。
安く購入したい場合はショップに行くより即売会に行ったほうが、同じ金額帯でも綺麗な個体を探しやすいです。
飼育方法
ケージのサイズ、材質
30cm×20cmほどの面積が取れれば終生飼育が可能です。
レオパに限らずですが、爬虫類は上から触られたり捕まれる事に対してストレスを感じやすいです。
ケージ側面が開くようなタイプのケージであればエサもやりやすいですし、過度のストレスを与えることもないのでおすすめです。
ケージの材質に関してはプラスチック製でもガラス製でも問題ありません。
ケージ内温度、湿度
レオパが快適に過ごせる気温は25℃〜30℃と言われています。
ケージ内に温度勾配ができるように保温器具などを設置してあげる事で、食後は暖かいエリアに、休みたい時は少し涼しいところにといった風に好きなように移動します。
湿度は40%〜60%を維持できるように霧吹きやウェットシェルターなどで調整してあげましょう。
もし購入したのがベビーサイズであれば、産まれてから3ヶ月くらいまでは温度と湿度を少し高めに設定してあげましょう。
エサの与え方、頻度
ベビーの頃は1日1回、小さめのコオロギやミルワームを食べるだけ与えます。
何回かエサをやっていると、だいたい何匹くらい食べるかが把握できると思いますので覚えておきましょう。
成長とともに次第に給餌の間隔を空けていき、アダルトサイズになる頃には週に2回ほどまで減らしましょう。
基本的には昆虫を与えて育てていく事になりますが、どうしても昆虫が触れない、賃貸だからエサ昆虫を飼えないという場合は人工フードも販売されています。
人工フードで終生飼育する事も可能ですが、そもそも人工フードに餌付かない個体もいますので、活昆虫も与えられるようにしておきましょう。
またエサを与える際にはダスティングを行う事で、不足しがちなカルシウムを補いましょう。
水分補給
レオパのケージにはウェットシェルターを入れる事になるので、基本的に別途水入れを用意する必要はありません。
ウェットシェルターは上部に水を入れる事ができる作りになっており、シェルター内を高湿度に保つ事が可能です。
ウェットシェルターを起点にケージ内の湿度に勾配が生まれますので、レオパ飼育時には必ず入れてやるようにしてください。
ただし、ウェットシェルターは陶器やプラ製ではないためカビや汚れが付きやすいです。
衛生面を整える意味でも、こまめに洗ってやるなどして清潔を保ちましょう。
床材
床材はペットシーツがコスパも手入れのしやすさも優秀です。
食べ残しやフンがあってもそのままペットシーツを取り替えるだけで良いので楽ではありますが、見た目は少し何があります。
レイアウトも一緒に楽しみたいという方は、デザートソイルなどを用いる事で野生下のような見た目を再現する事もできますので試してみてください。
なお、ソイルを用いる際は捕食時に誤飲しないように、餌皿を用意するなど対策をしてあげましょう。
UVBの有無
レオパは夜行性ですのでUVBライトは必要ありません。
飼育時の注意点
よくある病気
クル病
カルシウム不足により引き起こされる病気で、四肢の変形や骨の弱体化により骨折しやすくなるなどの症状が出ます。
また、上記と合わせて食事を取らなくなったり、震えなどの症状が平行して起こります。
カルシウム不足は経口摂取によるものだけでなく、ビタミンD3不足やカルシウムとリンの摂取バランス、またメスの場合は体内で卵を作るのにカルシウムを消費してしまう事でも起こります。
エサのバランスや繁殖期の給餌には気を遣ってあげましょう。
マウスロット
最近により引き起こされる口内炎です。
口を不自然に動かす、口からチーズのような膿が出るといった症状が現れ、食欲が落ちます。
抗生物質を処方してもらう事で治りますので、爬虫類を見てくれる動物病院を探しておきましょう。
脱皮不全
爬虫類は成長とともに脱皮を繰り返します。
レオパであればベビーの頃は1ヶ月に2回〜、アダルトになると1ヶ月に1回〜2回ほどの頻度で行います。
脱皮前には全身の皮が浮き上がり、体色が白っぽくなるのが特徴です。
脱皮はだいたい3日ほどで終了しますが、稀にうまく脱皮ができずに指先や尻尾の先に皮が残ってしまう事があります。
5日以上経っても皮が残ってしまっている場合、その箇所が壊死してしまう事がありますので脱皮のサポートをしてあげましょう。
腸閉塞
床材などを誤飲してしまった場合、元気であれば排泄時に出てくる事がありますが、代謝が落ちている時などがうまく排出できずに残ってしまう事があります。
次第に食欲が落ちていき、腹部の膨らみなどがみられますので速やかに病院に連れて行く必要があります。
多頭飼いできるか
レオパは多頭飼いには向きませんので、同じケージで飼うのはやめましょう。
基本的に単体飼育が推奨されており、多頭飼いにはデメリットばかりが目立ちます。
レオパ自体はそこまで攻撃的な種ではありませんが、とはいえ相手の出方次第では怒ることもあります。
それが勘違いだったとしても、攻撃されたと思えばストレスになりますし反撃にでます。
噛みつかれた箇所が顔の付近であれば失明の恐れがありますし、四肢や指先であれば取れたり壊死したりと命に関わる怪我を負う事も考えられます。
また攻撃された時に尻尾を自切してしまうこともあるでしょう。
最悪の場合は死んでしまう可能性も0ではありません。
ネットで調べるとメス同士であれば大丈夫、ケージを広く取れば大丈夫などという情報が出てくる事もありますが、全くもってそんなことはありません。
確かにオスに比べてメスは縄張り意識が弱いと言われていますが、だからといって一緒のケージに入れて大丈夫という事ではありません。
上述の通り、相手の行動次第では喧嘩に発展し、思わぬ怪我を負う事もあります。
もし既に複数匹をケージに入れている場合は、何かが起こる前にケージを分けてあげましょう。
まとめ
ヒョウモントカゲモドキ(レオパ)の飼い方についてまとめました。
レオパはあまり温度や湿度にうるさくなく、初めて爬虫類を飼うという方でも飼育がしやすいと言えると思います。
愛嬌のある仕草や顔立ちに癒されることも多いでしょう。
とはいえ、気をつけないといけない点もありますので、記事を読んで「自分でもきちんと最後まで飼えるのか」を判断する必要があります。
レオパにとって過ごしやすい環境を作り、長く一緒にいられるようにしてあげましょう。