オニプレートトカゲは名前だけ聞くとさぞ厳しい姿形をしている、なんて思いがちですが、かっこよさと可愛さが合わさったとても魅力的なトカゲです。
トカゲの中でも飼いやすく初めて爬虫類をペットに迎える方でも世話がしやすいのではないでしょうか。
この記事ではオニプレートトカゲの生態や飼育方法について説明していきます。
目次
オニプレートトカゲとは?
分類 | 有鱗目カタトカゲ科Broadleysaurus |
生息地 | エチオピア、ガーナ、カメルーン、タンザニア、南アフリカ等 |
サイズ | 〜50cm |
寿命 | 約10年 |
エサ | 雑食性(昆虫、野菜類) |
生育環境詳細
オニプレートトカゲはアフリカなどの乾燥地帯に生息する昼行性のトカゲです。
サバンナ地域に生息していますが特別暑さに強いわけではなく、気温の高くなる時期は砂に穴を掘ったり、岩場の影や蟻塚の中で暑さを凌いでいます。
特徴
見た目
名前の通り、プレート上の四角い鱗が規則的に並び、触るとゴツゴツとしています。
オニプレートトカゲは大きく2亜種に分かれており、ニシオニプレートトカゲはトーゴやガーナ産のツェッヒオニプレートトカゲが有名で、黒化した体表の側面に黄色いラインが入ります。
側面から腹部にかけて赤味がかった色が乗り、そのグラデーションのかっこよさも特徴の一つです。
対してケニア東部やエチオピア、エリトリアなどに生息するヒガシオニプレートトカゲは全身が黒〜茶で、側面にうっすらと灰色〜青色のラインが入るのが特徴です。
西の個体のようにメリハリのある体色にはならないので好みの分かれるところです。
サイズ
ペットリザードとしては中型で、平均して40cm程まで育ちます。個体の中には50cmに近づくものもいますが、飼育下では中々そのサイズまで育てるのは難しいでしょう。
寿命
寿命は約10年ほどになります。
飼育下では偏食や餌のやり過ぎなどで短命になることもありますので、長生きしてもらうにはエサや環境整備が重要です。
またオニプレートトカゲは野生化個体を輸入している場合が多く、ショップに来た時点で何年生きているのかは分かりません。
飼いだしてからの寿命は野生化で何年生きていたかにも左右されますので注意が必要です。
雌雄の判断
オスメスの判別は少し難しいですが、
・オスは後脚の付け根にあるひだが尖り、メスは四角くなる
・オスは尻尾の付け根が膨らむ
などの特徴が出ます。
見比べてみないと分からないような微妙な差なので、欲しい性別が決まっている場合はショップの店員さんに聞いてみましょう。
オニプレートトカゲの購入方法
ショップや即売会での購入が主なルートとなります。
タンザニアから個体が入っていた頃はそれなりに数も多く、価格帯も安かったのですが、輸出規制以降は大きく値段が上がっています。
現在では18,000円〜ぐらいで手に入りますが、人気も高く入荷後は早めに売れてしまうことも少なくありません。
飼育方法
ケージのサイズ、材質
ケージはオニプレートトカゲの最終的なサイズを考えて90cmは用意したいところです。
オニプレートトカゲは地面で暮らしているので動き回るだけの床面積は確保してあげましょう。
環境作り
少し神経質で臆病な面もあるので、ケージ内にはシェルターなどの身を隠せる場所を用意してあげると生体のストレス緩和につながります。
ケージ内温度、湿度
WCが多いオニプレートトカゲですので、出来るだけ現地に揃えてあげるのが良いでしょう。
日中は27℃、バスキングスポット下で35℃を目安にケージ内温度を調整し、湿度は40〜50度ぐらいを保つようにします。
オニプレートトカゲ自体とても頑強で、少しくらいの気温変化であれば特に問題ありませんが、ケージ内が暑すぎたり寒すぎたりすると動かなくなる、食が細るなど不調に繋がりますので注意しましょう。
エサの与え方、頻度
ベビーで購入する事があれば食事は毎日与えて問題ありません。
成長につれ週3回ぐらいにまで頻度を落としていきましょう。
エサはコオロギやデュビアなどの昆虫に加え、野菜類も与えるようにします。
慣らせば人工餌にも食いつきますので、併用して与える事で栄養が偏らないようにしましょう。
またカルシウムを補えるサプリメントを与える事で、クル病などの骨の疾患を予防することができますので、食事時に添加してあげましょう。
水分補給
オニプレートトカゲは水分補給だけでなく水浴びも行います。
水浴びは脱皮不全の解消にも効果がありますので、生体が入れるサイズのタッパーなどで水場を用意してあげましょう。
床材
床材は生育環境に近づける為にも、デザートサンドがおすすめです。
オニプレートトカゲは穴を掘る習性がありますので、少し厚めに敷いてあげる事でストレス解消や爪の伸びすぎ防止にも一役買います。
逆に誤飲の可能性がありますので、バークチップなどは使用しない方が賢明です。
またペットシーツも穴を開けてボロボロにしてしまうので非推奨です。
UVBの有無
昼行性のトカゲですのでUVBは必須です。
砂漠地帯向けのUVBライトが売っていますので、そちらを利用しましょう。
バスキングライトとUVBライトが一体になったタイプもありますので、ケージ内をスッキリさせたい場合にはこちらもおすすめです。
飼育時の注意点
多頭飼いできるか
オニプレートトカゲは穏やかな性格をしており、多頭飼いにも向いています。
注意点としては、小さいケージで多頭飼いをしていると、生体同士が重なる際に相手の体に傷をつけてしまうようなことも考えられます。
多頭飼いの際はケージを120cm以上の大きなものに変えて、自由に動き回れる空間は確保してあげましょう。
また、エサが全員に行き渡っているかの確認は餌やりの度に注意してみてあげる必要があります。
拒食
気温が20度を下回ったあたりから徐々に活性が低くなります。
温度低下が夜間だけで、日中は適温をキープできるのであれば問題ありませんが、温度低下が続くと拒食に入ることもあります。
その際はケージを温めてあげることで活性が戻りますが、マウスロットや内臓疾患などが原因の拒食の場合もありますので、口周りや痩せ方には注意が必要です。
まとめ
オニプレートトカゲの飼育方法についてまとめました。
爬虫類飼育初心者の方でも飼いやすい丈夫な種で、初めてのトカゲにもおすすめです。
ただしオニプレートトカゲは輸入規制の煽りを受けて値段も上がりましたし、ショップで見かける個体も少なくなっています。
飼いたいと思った場合は入荷情報を適宜チェックし、ショップに早めに連絡してみると良いでしょう。