まるで怪獣のようなゴツゴツしたフォルムと、頭でっかちで愛くるしい大きな目が特徴のカブトトカゲ。
中でもペットショップでよく見かけるアカメカブトトカゲの飼い方について解説いたします。
飼育に適切な環境作りや餌やり、飼育において注意したい点などをまとめますので、ぜひご一読ください。
目次
アカメカブトトカゲとは
名前 | アカメカブトトカゲ(ベニメカブトトカゲ) |
学名 | /Tribolonotus gracilis/ |
分類 | 有鱗目トカゲ亜目トカゲ科カブトトカゲ属 |
生息地 | ニューギニア島(パプアニューギニア) |
サイズ | 15〜20cm |
寿命 | 5〜10年 |
エサ | 昆虫類、小型のカエル・軟体動物等 |
生息環境
アカメカブトトカゲはニューギニア島東部の熱帯雨林に生息しています。
湿度を好み、普段は倒木や落ち葉の下などに潜み、あまり活発に活動する事はありません。
夜行性で、昆虫や小型のカエル、ナメクジなどを捕食する肉食のトカゲですが、臆病な性格をしており、外敵などを見つけるとすぐに隠れてしまいます。
特徴
見た目
カブトトカゲの名前からも分かるように、頭部が大きく兜を被っているように見えます。
背中〜尻尾にかけて棘状の鱗が発達しており、ゴツゴツしたまるで怪獣のような見た目をしていますが、その反面、名前の通りオレンジに縁取られた大きな目をしており非常に愛くるしい見た目をしています。
サイズ
産まれたばかりは10cmに満たないサイズで、アダルトになっても15cm〜20cmほどの小型のトカゲです。
寿命
寿命は10年ほどになりますが、飼育環境下では適切な環境維持が難しく、それよりも短い期間で落ちてしまう個体も多いようです。
価格
サイズにもよりますが、7,500円〜20,000円で売られている個体が多いです。
オスメスの判断
アカメカブトトカゲはメスよりもオスの方が大きくなる傾向にあり、頭部のサイズも一回りほどオスの方が大きくなります。
またオスの後ろ足の裏には通称「抱きダコ」と呼ばれる膨らみが出来ますので、そこを見る事での判別が最もわかりやすいでしょう。
飼育方法
それではアカメカブトトカゲの飼育に必要なものを見ていきましょう。
ケージのサイズ、材質
ケージは30〜45cmほどの爬虫類ケージがおすすめです。
小さいプラケでも買えなくはないですが、湿度の管理がしづらく、また生体も運動不足に陥りやすいので注意が必要です。
環境作り
上述の通り、日中はあまり活動せず、倒木の下や落ち葉の下に隠れていることが多いですので、視線を遮ることのできる空間を用意してあげる必要があります。
ケージ内温度、湿度
26〜28度ぐらいの温度で活発に動きます。
30度前後までであれば特に問題ありませんが、低い気温は苦手です。
出来るだけ一定の気温を保てるようにエアコンやオイルヒーターなどで部屋全体の空気を温めてあげる方が良いでしょう。
また湿度はケージ内で50%〜90%ぐらいの勾配になるように調整してあげる必要があります。
アカメカブトトカゲの飼育が難しいと言われる原因の一つがこの湿度の維持で、部屋に加湿器を設置して全体的に湿度を上げるだけでなく、床材やウェットシェルターなどで湿度を保てるように工夫が必要です。
エサの与え方、頻度
ベビー〜ヤングサイズまでは毎日食べるだけの量を与えます。
大きくなるにつれ給餌頻度を落としていき、アダルトになる頃には2、3日に1回ほど与えるのが目安になります。
イエコなどの生きた昆虫がメインになりますが、繁殖個体や慣らしができている個体であれば人工餌も口にしますので、飼う前にショップで普段どんな餌を与えられていたか聞いておきましょう。
水場
アカメカブトトカゲは水浴びをし、個体によってはトイレもその場で済ませる事がありますので、市販の水入れやタッパーなどで水場を作ってあげると良いでしょう。
深い容器だと出られなくなる事がありますので、浅めのものを使いましょう。
床材
湿度を維持するためにも、テラリウムソイルやパームマットを使用するのがおすすめです。
ケージに敷く床材のうち、湿らせるエリアと乾燥したままのエリアを分ける事で湿度に勾配がつけやすくなります。
ウェットシェルター
アカメカブトトカゲが余裕を持って入れる大きさのウェットシェルターを用意してあげましょう。
湿らせた床材の上に置く事でシェルター内は湿度を高く保持出来ますので、アカメ飼育では必須になります。
UVBの有無
アカメカブトトカゲは夜行性ですので、飼育においてUVBは特に必要ありません。
飼育時の注意点
多頭飼いできるか
比較的穏やかな性格ですので多頭飼いをすることも可能です。
ペアで飼っていれば繁殖を望むこともできますが、ケージは広めのものを用意してあげる事と、餌が十分に全個体に行き渡っているかは常々確認が必要です。
脱水症状
湿度が十分でない場合、水場を用意していたとしても呼気から逃げる水分などが多く脱水症状に陥ることがあります。
体の水分量が減ってくると活動が控えめになり、拒食等の症状が出ますのでケージ内の湿度を保つ工夫が必要です。
カビや皮膚病
ケージ内の湿度が高い分、カビが発生しやすいですので注意が必要で、また皮膚病などの発症にもつながります。
ウェットシェルター内など多湿かつ空気がこもる場所や食べ残した餌の死骸からはカビが生えやすいですので、定期的な掃除が必須です。
鳴き声
アカメカブトトカゲはトカゲの中では珍しく、発声器官を持っています。
その為キィキィ、グゥグゥと鳴き声をあげることがありますが、夜行性の為、遅い時間に鳴くこともあります。
隣家に聞こえるほどの声ではありませんが、同じ部屋にいると気になることもあるかと思いますので飼う前に覚えておきましょう。
まとめ
アカメカブトトカゲの飼育方法や気をつけたい点をまとめました。
湿度の管理など、初めて飼う個体としては難しい部類に入りますが、愛嬌の良さからペットとして人気の種ではあります。
一昔前より飼育情報も増えてきて飼育難易度は下がったように思いますが、しっかりと環境を整えてあげる必要がありますので十分に注意して見守ってあげましょう。