爬虫類をペットとして飼う場合、種によっては紫外線ライト(UVBライト)が必要不可欠です。
私たち人にとってはあまり良いイメージのない紫外線ですが、飼育においては爬虫類の健康維持の為にも欠かせない要素になりますので、正しい設置を心がけましょう。
なぜ紫外線ライトが必要?
紫外線は波長によって3つのパターンに大別されています。
種類 | 波長 | 特徴 |
UV-A | 315〜380nm | 食欲の増進 脱皮の促進 |
UV-B | 280〜315nm | プレビタミンD3の生成 カルシウムの吸収促進 |
UV-C | 200〜280nm | オゾン層で吸収され地表には届かない 強い殺菌性 |
この中で特に爬虫類の健康維持に必要なのがUV-Bです。
UV-Bの効果
昼行性の爬虫類(に限らずヒトもですが)はビタミンD3を自発的に体内で生成することができません。
ビタミンD3を生成するにはUV-B(波長280〜315nm)を浴びてプレビタミンD3を生成し、体温によってビタミンD3に変化させる事が必要になります。
このビタミンD3はカルシウムの吸収をする為に必要不可欠なのですが、UV-Bが欠けている状況だと
①ビタミンD3が生成出来ない
②カルシウムの吸収効率が落ちる
ことからクル病などの骨の疾患に繋がったり、骨が弱くなりやすくなります。
特にクル病は一度発症すると治す事が出来ませんので爬虫類飼育においては致命的です。
その為、室内飼いの場合は紫外線ライトを利用してUV-Bを補ってあげる必要があるのです。
紫外線ライト使用時の注意点
上述の通り、紫外線ライトは昼行性の爬虫類を飼うにあたって必要不可欠ですが、注意しないといけない点もありますのでご確認ください。
交換の必要がある
紫外線ライトから照射されるUVBは有限です。
だいたい半年〜1年ぐらい持ちますが、照射量が減ってきたら交換が必要になります。
とはいえ、バスキングライトと違い電球が切れるといった分かりやすい交換の目安がありませんので、交換時期を覚えておいて定期的に交換する必要があります。
外される可能性がある
小型種であればケージ内に設置していても問題ありませんが、大型のモニターなどのケージ内に入れておくとライトを外される可能性があります。
バスキングライトと違いペットの行動で紫外線ライトが割れた、というのはあまり聞きませんが、ライトにしがみつくなどの行動でスタンドからライトが外れ照射されなくなる事もありますので、定期的に緩んでないか確認する、外につけるなどの対策が必要です。
窓から差す光じゃダメ?
また紫外線ライトを使わなくても窓から日光が入ってきてるから大丈夫じゃないの?
と思われるかもしれませんが、UV-Bは窓ガラスを通過できません。
窓を開けて日光がゲージに当たるのであれば、日中窓を開けておく事でUV-Bライトを付けずに飼育することも可能ですが、
・室温、湿度を一定に保ちづらい
・日当たりが良すぎるとケージ内が必要以上に暑くなる
・虫の侵入や脱走の可能性がある
など問題点も出てきますので、部屋の状況に応じて対応が必要になってきます。
まとめ
爬虫類飼育において紫外線ライトが必要な理由はお分かりいただけましたでしょうか。
夜行性で必ずしも紫外線ライトが必要ではない種もいますが、昼行性の爬虫類飼育においては、まず確実に必要になりますので準備をしてあげてください。
紫外線ライトの必要有無はショップでも即売会でも聞けば教えてくださると思いますので、分からなければ聞いておきましょう。