爬虫類の飼育を始めてみよう!初めてでも育てやすい種類をご紹介!

爬虫類の飼育を始めてみよう!初めてでも育てやすい種類をご紹介!

昨今爬虫類の飼育がブームになっているのはご存知でしょうか?
テレビやネットでも取り上げられている事でご存知の方も多いかもしれませんが、恐竜のようなフォルムに爬虫類独特のさわり心地、愛くるしい動きなど一度ハマるととても魅力的な生き物です。

また種類によっては
・比較的安価に買える
・飼育の設備をそろえるのが楽
・飼育自体が楽
と、ペットとしてとても飼いやすく、一人暮らしの方や犬猫が禁止のマンションなどでも飼える点からペットとしての人気が高まっているようです。

特に爬虫類の中でもメジャーな種類は比較的初期投資も少なく、生体そのものも安価なものが多いため、初めての方はできるだけそういった種類から飼い始めることをオススメします。

どんな種類がオススメ?

初めて買う爬虫類としてオススメなのは

・生体の価格がお手頃
・飼育環境を安価で整えられる
・環境の変化に強い
・エサを与えやすい(手に入れやすい)
・情報が手に入りやすい

といった条件に当てはまる種類になります。

爬虫類は種類やモルフ(品種)によって生体の値段が大きく違うのが特徴で、安価なものだと数千円~高いもので数百万円(!)と様々です。
また、環境も同様にプラケースで飼えるものからしっかりと生息環境を整えてあげないといけないものまで多様です。

それらを踏まえて初心者でも比較的飼いやすく、飼育をするうえで、ある程度情報が得やすい爬虫類たちをご紹介します。

トカゲ編

フトアゲヒゲトカゲ

特徴

オーストラリア原産のトカゲで、ひげのように見える顎部のとがった鱗が特徴です。
比較的人にも慣れやすく、ハンドリングなどで触れ合う事もしやすい種類といえるでしょう。

小さいときは肉食でコオロギなどの昆虫を食べ、成長に伴い草食に変わっていく少し変わった食性をしています。
腕立て伏せをするような動き(ボビング)や腕をゆっくりと回す動き(アームウェービング)など変わった動きを取ることも特徴で、気分によって体色が変化するなど見ていて飽きないトカゲです。

モルフ(品種)によって赤みが強くでた個体や、オレンジがかったものなど色彩も多様ですのでお気に入りの個体を探す楽しみもあります。

飼育設備・環境

・ケージ(60㎝以上)
・床材
・バスキングライト
・紫外線ライト
・シェルター

昼行性のトカゲで、野生下ではよく日光浴を行っているため、バスキングライトの設置とUVB(紫外線)の設置が必須となります。
また全長50㎝以上と比較的大きくなりますのでケージも60㎝サイズのものを用意しておきましょう。

床材は現地の環境に合わせるのであれば専用の砂材がショップに売っていますが、掃除のしやすさなどを考えてキッチンペーパーやペットシーツを敷いておく形でも問題ありません。

エサ

まだ小さい時はコオロギなどの昆虫を食べて大きくなります。成長するにつれ小松菜や人参、豆苗などの野菜類や人工フードを食べるようになります。

基本的になんでも選り好みせずに食べる個体が多い印象ですが、野菜の中でもホウレンソウなど与えるとよくない物もありますので注意が必要です。

サバンナモニター

特徴

名前の通りサバンナ地帯に生息するモニター(オオトカゲ)で、全長は1m程度と大きく成長しますがモニターの中では比較的小柄で温和な性格をしています。

サバンナと聞くとフトアゴ同様乾燥地帯にいると思われがちですが、基本的には草原地帯など湿度のある環境を好みます。
どっしりとしたフォルムは非常にカッコよく、かつ大型種としては飼いやすいので、少し大きくなるトカゲを飼ってみたい!という方にはオススメです。

飼育設備・環境

・ケージ(90㎝以上)
・床材
・バスキングライト
・紫外線ライト
・シェルター
・水場

大型になるので90㎝以上の大きなケージが必要です。

床材は特にこだわらなくてもよいですが、サバンナモニターは湿度を好むのでバスクチップや赤土などで湿度を保てる環境を用意すると喜びます。

ただし湿度が高いとカビなども発生しやすいので、手入れのしやすさを考えるとペットシーツや人工芝などでも問題ありません。
サバンナモニターは水に浸かることも好きなので、体が入る程度の水場を用意してあげましょう。タッパーなどで十分です。

サバンナの中には水場をトイレとして覚える子も多いので、フンの掃除も比較的楽に行うことができます。

エサ

現地では昆虫、小魚、小さなカエル、カタツムリなどの軟体動物を食べているようです。
実際にペットとして買う場合はコオロギやデュビアなどの虫エサをメインに、ヒナうずらやマウス、エサ用の小魚といった食事を与えていくことになります。

ヒナうずらやマウスは脂肪分が多いので与えすぎるのは良くありません。とはいえ大きくなる種類なので様子を見ながらエサは調整していく必要があります。

ヤモリ編

ヒョウモントカゲモドキ(レオパードゲッコー)

特徴

昨今の爬虫類人気を牽引しているのがヒョウモントカゲモドキです。ヤモリ科に属していますが、一般的なヤモリとは違い壁に張り付くことはできません。基本的に地上で生活しているヤモリです。

一般的にレオパ(レオパードゲッコー)と呼ばれることが多く、くりっとした目や動きのかわいらしさ、多種多様なモルフ(品種)がいることに加え、飼育環境の整えやすさ、価格の安さ、丈夫で飼育しやすい等、爬虫類飼育の始めやすさとしては一番おすすめの種類になります。

爬虫類の中でも人に慣れやすい為ハンドリングができる子が多く、エサの時間にはシェルターから出てきてアピールしてくるなど、かわいらしい一面を持っています。

飼育設備・環境

・ケージ
・床材
・ウェットシェルター
・パネルヒーター

レオパは夜行性なので、昼行性の爬虫類のように紫外線を必要としません。
基本的には上記があれば飼育を始めることができます。

ケージは専用のものだけでなく、爬虫類飼育に適した安価なプラケースなども販売されています。

レオパを飼う時に使われるシェルターはウェットシェルターと呼ばれ、上部に水を入れておくことでシェルター内を適度な湿度に保つことができる仕組みになっています。

すべてそろえても5000円~1万円以内に収まるので、生体購入前にしっかりと環境を整えておきましょう。

エサ

基本的には虫エサです。サイズに応じたイエコ(ヨーロッパイエコオロギ)を与えましょう。

どうしても虫エサが苦手…という場合はレオパゲルやグラブパイといった人工フードも販売されています。爬虫類が育つのに必要な栄養素がバランスよく配合されているので人工フードだけで育てることも可能です。

ただ人工フードを食べない個体もいますので、できるだけ虫エサを与えられるように飼い主が慣れておく必要はあります。

オウカンミカドヤモリ(クレステッドゲッコー)

特徴

俗にクレスと呼ばれているヤモリです。目の上から背中にかけて小さなとげ状の鱗が見られるのが特徴で、この鱗を王冠(Crest)に見立てたことが名前の由来と言われています。
いわゆる壁チョロといわれる趾下薄板を持つ(壁面にくっつける)タイプのヤモリで、比較的人にも慣れやすくハンドリングも可能な種です。

レオパやフトアゴ同様、赤やオレンジがかったものなど個体によって体色に違いも見られます。

飼育設備・環境

・ケージ(高さのあるもの)
・床材
・流木、つた等

上下運動が好きな種なのでケージは高さがあるタイプを選びましょう。横幅は20~25㎝程度あれば十分ですが、高さは40㎝以上のものを選んであげるとよいでしょう。
床材はキッチンペーパーやペットシーツなど、掃除が楽なものを選択すると手間がかからずオススメです。

登ったり隠れたりする用の流木や蔓を設置しておくとクレスの行動の幅も広がるので、できれば用意してあげたいです。小さめの観葉植物をケージに入れてあげる事でも代用可能です。

夜行性なのでバスキングライトや紫外線は必要ありません。

エサ

雑食なのでコオロギやデュビアといった昆虫から、ゼリー、人工フード、バナナ等の果実に至るまで比較的なんでも食べます。

中でも人工フードはクレス専用のものも販売されており、食いつきもよいので昆虫が苦手という方でも安心できます。

ヘビ編

コーンスネーク

特徴

ナミヘビ科に属するヘビで、初心者の方にもオススメできる種類になります。
性格は温厚で、飼い主に噛みついたり激しく威嚇するといったことは少ないでしょう。
また寒さなどの環境変化にもそれなりに強く、餌への反応も良いのでヘビの中でも比較的飼いやすい種類となります。

飼育を始めるにあたって必要な器具も安価で揃えやすく、まさに入門にうってつけといえるでしょう。とはいえモルフの多さやハンドリング時のピタッとした触感、ナミヘビ科特有のかわいらしい顔つきなど、専門に飼っている方も多くいらっしゃるぐらい奥の深いヘビでもあります。

飼育設備・環境

・ケージ
・床材
・水入れ
・パネルヒーター

どのヘビもそうですが、細い体に似合わず非常に力が強いです。ケージを選ぶときはしっかりと蓋ができ、脱走の心配がないものを選びましょう。

一般的な昆虫の飼育ケージでも飼えないことはないですが、蓋のスリットが影響し湿度の管理がしづらいといったマイナス点もありますので、爬虫類用のケージを用意した方がよいでしょう。

水入れはタッパー、床材はキッチンペーパーで十分です。ただしタッパーはヘビが全身浸かれるサイズのものを用意してあげましょう。

パネルヒーターはケージ全面ではなく一部に敷くことで、ケージ内の温度差が生まれるようにしておきましょう。

エサ

餌はマウスを与えます。

冷凍のものを解凍して与えるのが一般的で、40度程度のお湯でしっかりと解凍します。お腹の中までしっかりと温まっている事を確かめないと、消化不良を起こすだけでなく、それが原因で死に繋がる可能性もありますので注意しましょう。

ボールパイソン

特徴

コーンスネークと並んで人気の種類となります。こちらも比較的温厚、というか臆病な性格としており、身の危険を感じると体を丸めてボール状になることから名前が付けられています。

コーンスネークよりも体は太く、同じ体長でもサイズ感は大きく違います。
モルフ(品種)が非常に多く、一般的に出回っているものなら1万円を切るものから、珍しいものでは百万単位での取引が行われる事もあります。

飼育設備・環境

・ケージ
・床材
・水入れ
・パネルヒーター

ケージはもちろん爬虫類用のケージでも構いませんが、ボール飼育者の中には引出し式の衣装ケースをケージ代わりにしている方も多いです。

床材や水入れはコーンスネークの項で触れた内容と変わりません。サイズが大きくなっているので、その分用意するタッパーのサイズが大きくなる点に注意してください。

エサ

幼体の頃はピンクマウスを与えますが、成体であればラットを丸呑みするようになります。
また大きなサイズのマウスを食べることができる為、給餌感覚はコーンスネークよりも広めにとることが可能で、気温の低い冬の間は月に1回程度の間隔でも問題なく育てることが可能です。

まとめ

この記事では初めて爬虫類を飼ってみたいという方向けに飼いやすい種類を紹介いたしました。

興味のある方は、まずはお近くの爬虫類ショップなどでここであげた種類を見させてもらい、飼えるかどうかしっかりと判断したうえでお迎えをしてあげてください。

楽しい爬虫類ライフが送れることを願っています。

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